2012年2月8日水曜日

もう「8億4500万人すべてが“活発”ではない」なんて言わないよ絶対

まどろっこしいタイトルですいません(世代的に、わかる人はわかりますよね、このタイトル)。
というわけで、釣り記事のタイトルに思いっきり釣られてみようと思います。

たまに読んでるJBPressで「フェイスブックのユーザー数、実際はもっと少ない? 8億4500万人すべてが“活発”ではないという事実」という釣り色全開なタイトルがあったので読んでみたんですが、要約すると

(facebook.comドメインのページにアクセスしてなくても)『いいね!』(Like)したらFacebook社はアクティブユーザーとみなしていて、そのユーザー数は広告メディアが出す数字としては不適切だ、と米ニューヨーク・タイムズが述べているし、米ピュー・リサーチ・センターは、ユーザーの情報の発信と受信のバランスが不均衡だ、と言っているが、両社は、パワーユーザーの存在が有効、など肯定的な見解も示している。

というわけで、結局何が言いたいのかよくわからない記事でした。

読む人が読めば突っ込みたいところがいろいろ出てくると思うんだけど、特に引っ掛かるところは「過去1ヶ月以内に「いいね!」ボタンを押したユーザーはアクティブユーザーとは言えないだろう」という論調のところです。

言うまでもなく、facebookのスゴイところ(の1つ)は多くのWEBサイトにまたがって「いいね!」(Like)ボタンのプラットフォームを構築したことにあり、そのインフラが整備されたお陰で、新しい情報の流れが生まれ、ある種Googleでも適わないような情報流通構造が確立しました。それにより、多くのサイトやリアルな社会に大きな変化が起きましたよね。
そのプラットフォームを構築したプラットフォーマーが、自身の重要なサービスである「いいね!」ボタンを使った人をアクティブユーザーと呼んで何が悪いのか?と思うんです。

JBPress記事(というか米ニューヨーク・タイムズの記事)の論調としては、「だってfacebookのサイトに訪問してくれなきゃ広告見てもらえないじゃん?マーケティングにも使えないし、ダメダメ」ってことなんだけど、これこそまさに旧来型メディア企業の考え方で、「広告クリエイティブをセグメントされたユーザーに見せつけることがマーケティングだ」とか訳のわからんことを言い出すんでしょう。そんな人は、(今回の件と主題は違うけど)これとか読んでみるといいと思います。

FacebookのIPO申請書類を読めば佐々木俊尚氏が100%間違っていたことが確認できる ユートピア的な幻想の怖さ - Market Hack

読んでいただくとお分かりのように、Facebookにとって重要なのはサイト訪問者数ではなく、あらゆるサイトに自社サービス(「いいね」「シェア」等)を仕込んでfacebookプラットフォーム上に蓄積し、それをユーザーを介して繋げていくこと、ですよね。というわけで元記事は最初から論点がズレてると思うんですよ。

もう、こういう批判屋的な釣り記事を出すのはいかがなものかと思いますよね。
って思いっきり釣られといてアレですが。


あとついでに、ボクのニュースフィード上にも結構な数が出てきてもはやウンザリしてきてるんですが、診断系アプリ。これから「ウチも流行の診断系アプリ作ってバズっちゃうか!」とお考えの方は、こちらをお読みいただき冷静になってください。

ブランドイメージを傷つける間違いだらけのFacebookプロモーション(ASSIOMA)


よろしければ、こちらも。
TECH SE7EN : Facebook、IPO申請書類に添付されたザッカーバーグの手紙全文

あらためてもっと知りたければ、こちらも(Amazonへのアサマシリンクです)。
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
読書感想文はこちらです。


気付けば2012年、最初のエントリーでした。
今年もよろしくお願いいたします。