2010年9月4日土曜日

ウォークマンがiPodを抜いたことが、Appleの凄さを教えてくれる

ウォークマン、iPod抜く 8月販売台数シェア

携帯音楽プレーヤーの8月販売台数シェアで、ウォークマンが初めてiPodを上回ったそうだ。とは言っても、アップル陣営には同じように音楽が聴けるiPhoneがあったり、iPod touchががあったりで、「携帯して音楽を聴くことができる端末」というFunctionで括るとやっぱりアップルに軍配があがるんでしょうね。
しかもこのタイミングで新しいiPodたちが登場したし、9月にはまた一気にアップルが盛り返しそう。

上記の記事本文の中で、
ソニーは、商品の品ぞろえを、価格帯1万円以下にも広げたことが功を奏した。若年層向けに、歌詞を表示し、語学学習にも役立つ機能を備えた機種の人気にも支えられた。

というのがあるんだけど、価格についてはそれがきっと避けられない戦略だったんだろう、と解釈するとして、機能に関しては、人気を支えるものとしてはやはり弱いな、という印象が拭えない。

アップルが「イノベーション」だとしたら、ソニーは「アップデート」という感じ。
うーん。頑張れソニー。


このニュースを見て思い出したが、今日、友人と「Dropboxって便利だな~」という話をしていたんだが、その時に友人が「Dropboxと同じようなものを作ろうとしていた知り合いがいたけど、『トランザクションをどうするか』という問題に頭を悩ませていた」というエピソードを教えてくれた。「エラーへの対応をどうするか、と考えて結局実現はしなかったんだけど、でも実際に使ってみればトランザクションの管理なんて無くても、こうやって便利に使える。そんなのは運用で何とかなる。」

確かにそうなんだ。使う側がルールを決めて使えば、プリミティブな機能しかなくても便利に使える。少々乱暴な言い方をしてしまうと、イノベーションをユーザーに委ねるような形。twitterだってEvernoteだって結局そうなんじゃないかと思う。
開発者としてエラー対応は気になるところで何とかしたい、というのは当然わかるが、ユーザーはそれよりも「そのサービスを使えることのメリット」の方を高く評価し、エラーが出るかもしれないが、なるべく出ないようにうまく使う、という行動を取ることだってある。ユーザーが「どこに価値を見出しているか?」ということで、それは即ちマーケティングでもある。

一見、原始的なものであっても、それが革新的なものを直感させれば、そしてアーリーアダプターが反応してくれればその後革命が起こる(可能性が高い)。初めて世の中に登場したウォークマンは「革新」だったけど、それ以降のウォークマンは「更新」。一方でアップルは「革新」続き。
品質という点においてはソニーに軍配かもしれない(ボクのiPodは月1回ぐらいフリーズする)。でも、やはり「更新」ではなく「革新」が無いと生き残っていくのは難しい、ということを、逆に今回のニュースは如実に物語っているような気がしてならない。

ドラッカーの有名な言葉、「企業(組織)に必要な機能はマーケティングとイノベーションの2つのみ」。
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確かにそうだ。でも、それを頭でわかっていても、実践がどれだけ大変かってことは多くの人が認めるところ。最近ボクが心がけていることは、「思考と視点に制限をかけない。そして、とにかくやってみる」。


<おまけ>
なんだかんだでボクはソニー好きなようで、携帯音楽プレーヤーは残念ながらiPodだけど、自宅のTVはBRAVIA、その横に置いているBlu-rayレコーダーもソニーのものだし、その反対側にはもう7,8年は使っていると思うPSX(PS2+HDDレコーダー)が陣取っている。社会人になってから初めて買ったノートPCはVAIOだし(ちなみに先立つこと大学生の時に初めて買ったデスクトップPCはMacだが…)、今はレッツノートを使っているが、これを買う際は最後の最後、直前までVAIOとどちらにするか悩み抜いた。MJとも縁のある企業だし、頑張ってほしい。

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